ゼラチンハイドロゲルを使った臨床研究の論文が出ました
2007/07/27
こんにちは。
京都大学で行われた臨床研究の結果が論文になりました。
内容はゼラチンハイドロゲルとbFGFを組み合わせて
下肢虚血性疾患の患者さんに投与し
歩行距離、血流、皮膚潰瘍の改善を見たものです。
実は以前学会で発表されたもので
こちらのブログでも紹介したものです。
正式な論文となりましたので
内容を詳しく取り上げますと…
患者さんは24歳から69歳の7人。
(一人は途中で離脱されています)
バージャー病とASOの方です。
細胞移植で効果が見られたなった方、
あるいは細胞移植が出来ない方が含まれています。
その結果6人中5人で顕著な改善が見られました。
ご興味のある方はこちらから原著論文をどうぞ。
下肢虚血性疾患の患者さんは
血管が閉塞していたり血流が悪くなっていたりで
足に十分血液が行き渡らず、栄養も行き渡りません。
本来、体は血液が不足したときに
血管を引いてくる能力を持っているのですが
患者さんの足はその能力も弱くなっているのです。
そこでbFGFとゼラチンハイドロゲルを組み合わせて
下肢に注射で投与しました。
bFGFの力で足の細胞が
血管を引っ張ってくる力を助けます。
ゼラチンハイドロゲルで不安定なbFGFを
体内で安定化し、働いて欲しい場所に留めます。
つまり薬とゼラチンハイドロゲルの力で
患者さんの足が持つ再生能力をお手伝いしたわけです。
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アメリカで行われた遺伝子治療で事故があったようですね。
改変型アデノウイルスを使ったものでそれ以上は不明です。
研究員 松井