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開発中…

2006/08/28

弊社の技術は田畑教授のもとで開発されたものです。
ほとんどのものが、ある程度完成された形で彩都ラボに移されます。

ですが、たまにひっそりと忘れられた技術があります。
それがPI9の粒子です。
PI5の粒子が完成し、非常に”使えるヤツ”であったために
途中で忘れられていました。

埋め込み用のシートも好評なのですが
注射できるというゲル状のハイドロゲルを望まれる場合があります。
そこで、彩都にてPI9の粒子を完成させることになりました。

今まではシートを加工したものを使っていただいていました。
顕微鏡で拡大すると、こんな感じです。

PI9-sheet.gif


上のものでも十分使えるのですが
均一なものということでPI9粒子を開発中です。
どんなものかちょっとだけ見ていただきましょう。

PI9-MS.gif

シートを加工したものと違って綺麗な球形になっています。


どちらでも、基本性能に変わりはありません。
使い勝手の良いほうを選んでいただけるよう、
形状のラインナップを増やしております。

ちなみに粒子はこのようなチューブに入れて出荷予定です。

粒子の外観.jpg

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2週間ほど更新が出来ませんでしたが
休んでいたわけではなく、細々と粒子を作っておりました。

ちょうど夏の疲れが出てくるのか、まわりで体調を崩す方が多いです。
お気をつけ下さい。


研究員 松井

ウイルスを用いない遺伝子導入法の材料、技術、方法論の新たな展開

2006/08/15

先日の当ブログの記事でご紹介の通り、当社では遺伝子導入のためのツールを開発しています。
当社以外にもウイルスを用いずにDNAなどの核酸物質を効率良く導入する研究が活発に行われています。こうしたトレンドを紹介した書籍がありますのでご紹介しておきます。

目次は次のようになっています。

続きを読む

皮膚から万能細胞

2006/08/11

本日の新聞で取り上げられていたニュースです。
ご覧になった方も多いのではないでしょうか?

京大再生研、皮膚から「万能細胞」作製に成功

 皮膚の細胞から、様々な臓器や組織に育つ能力を秘めた新たな“万能細胞”を作製することに、京都大再生医科学研究所が、マウスの実験で世界で初めて成功した。
(読売新聞) - 8月11日9時16分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060811-00000001-yom-soci

多細胞生物はひとつの細胞が分裂し、様々な組織に分化して形成されます。
一度分化した細胞がもどるということはありません。

今回の実験では一度分化して、機能を持った細胞にちょっと細工をすることで
幹細胞に近づくことができたというものです。

著者の方も認めていますが
遺伝子の発現パターンが幹細胞と少し違いますし、効率も良いものではありません。
それでも、一度分化した細胞が幹細胞に近づくというのは
科学的にとてもすばらしいデータだと思います。

ヒトにどれだけ応用できるかは、まだまだ未知数ですが
そのときにはメドジェルの細胞足場技術がお役に立ちたいものです。

研究員 松井

薬剤との親和性

2006/08/07

前回までで、薬剤とハイドロゲルに相性があると書いてきました。
そのために、最適なハイドロゲルを選んでいただくステップがあります。

本来なら、お手持ちの薬剤をハイドロゲルに含浸させて
ゲルに保持される薬剤の量(=放出される量)を測定します。
保持量が多いものが最適ゲルです。

今回は簡単な実験で相性を視覚化してみました。
用いたのはBPBと呼ばれる低分子色素とPI5、PI9のハイドロゲルです。
まず、ハイドロゲルに純水を加え十分膨潤させます。
pre.gif

ここに低分子色素を加えてみましょう。
add0.gif

室温で5分置いておくと
PI9が青く染まり、溶液中の青が少なくなっています。
PI5はあまり変わりません。
add5.gif

1時間置いてみましょう。
PI9は積極的に色素を吸着しているのが分かります。
PI5はほとんど変化がありません。
add1h.gif

ゲルだけ出してみると
吸着の度合いが全く違うのがよく分かりますね。
一晩おくと溶液が透明になるまで吸着します。
add1h2.gif


ハイドロゲルの特徴は
物理的・化学的処理をしないで薬剤を保持するところにあります。
ハイドロゲルの分解と共に、担体を失った薬剤が放出されるのです。
ですから、最初によりよく薬剤を保持するハイドロゲルが最適ゲルということになります。

今回の実験では、BPBという色素を徐放するのであれば
BPBを積極的に吸着したPI9が最適ということになります。

”相性”の意味が分かっていただけたでしょうか?


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明日は弁天宗夏祭り奉納花火大会が行われます。
ここ彩都バイオインキュベーターの屋上からも見えるそうです。

インキュベーター内の他のベンチャーさんと花火鑑賞の予定です。
夏ですね。

研究員 松井

組織工学会 第9回大会

2006/08/03

日本組織工学会の第9回大会が京都で開催されます。

会期: 平成18年9月7日(木)~8日(金)

学会参加者へのご案内:
当日受付にて下記参加費を納入して下さい。引き換えに参加証をお渡し致します。
会員 7,000円
非会員 12,000円
学生(学部・大学院) 5,000円 ※学生証を提示された方のみ

会場: 京都テルサ
〒601-8047 京都市南区九条下下殿田町70
(新町通九条下る)
075-692-3400
会長: 田畑 泰彦
(京都大学再生医科学研究所 教授)
事務局長: 山本 雅哉
(京都大学再生医科学研究所 助手)
事務局: 京都大学再生医科学研究所
〒606-8507
京都市左京区聖護院川原町53