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心臓の再生

2008/01/16

こんにちは。

本日はNature medicineのオンライン版に掲載された
基材と細胞を使った心臓の再構築
という面白い研究成果をご紹介させていただきます。

日本ではiPS細胞がホットトピックなせいか
どこでも紹介されていないみたいです…。


ミネソタ大学の研究成果なのですが
生まれたばかりのラットから心臓を取り出し、
そこに心臓の形をしていて血管様の管も持つ
ゼラチン基材を入れます。

その後、心臓の代わりに埋めた基材に
筋肉細胞と内皮細胞を注射するのです。

すると筋肉細胞がゼラチン基材を覆いつくし、
内皮細胞が血管の通り道を覆います。
そこで電気刺激を与えます。

2日後には移植された筋肉細胞の微細な拍動が、
8日後には肉眼で見える拍動が観察されたそうです。

ラットの新生児ということで
再生能力も高いでしょうし、
ヒトへの応用が可能かどうかは分かりません。

ですが心臓の形+細胞で臓器が出来るというのは
移植する心臓が不足していたり
子供の移植用心臓がない日本では
期待したい技術です。

筋肉細胞を用いた再生医療という意味では
阪大の澤先生が臨床研究を進めていらっしゃいます。
こちらは弱っている心臓を助けるといった目的での部分移植ですので
まるまる再生というのは少し違いますね。

詳細はこちらからどうぞ
Perfusion-decellularized matrix: using nature's platform to engineer a bioartificial heart
Harald C Ott, Thomas S Matthiesen, Saik-Kia Goh, Lauren D Black, Stefan M Kren, Theoden I Netoff & Doris A Taylor

(*)ゼラチン基材は弊社MedGelとは違うものです。

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通常の発生(成長)過程では細胞のみで
臓器が作られていきますが
人工的に作るとなると”型”や”刺激”など
いろいろ小細工が要りますね。

研究員 松井





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