発生の研究にMedGel
2010/01/21
こんにちは。
発生の研究において
特定のタンパク質がある時期に働いているかどうか
in vitro, in vivoで確認するのは非常に重要です。
本日はin vitroの例ですが
MedGelを用いて組織の誘導が出来る論文をご紹介します。
MedGelは調べたいタンパク質を
単独、あるいは組み合わせて浸み込ませて使用しますので
組織抽出液のようなunknownな因子がありません。
調べたいタンパク質"のみ"
の機能を確認することができるわけです。
MedGelは通常、
タンパク質と組み合わせて、
あるいはタンパク質に加えて細胞と一緒に
生体(in vivo)に入れて使うものですが…。
弊社でもおっと驚くin vitroでの使い方の論文はこちら。
発生途中の胎児から涙腺を含む組織片を採取し、
FGF10を含浸させたハイドロゲルと培養すると
コントロール(PBS)では涙腺が分岐しないのに
FGF10存在下ではきれいに分岐する、
とFig3においてMedGelを用いて
FGF10が機能していることの確認実験を行っております。
(違う時期の細胞ではFGF10に対して
また違った応答をするというのが
論文では示されています。
興味をもたれた方は是非ご覧ください。)
MedGelは生体で分解されることを前提に設計されておりますが
in vitroで薬剤(誘引物質)を保持する担体として使用することもできるようです。
本日、日経新聞に掲載されていたような、
粘菌で地図を描く…というようなことが
培養細胞でもできそうですね。
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粘菌の挙動というのは非常に面白いのですが
地図はお遊びであって、
本当のところは数学の巡回セールスマン問題との絡みで
サイエンス誌に載ったのでは?
と考えております。
(内容は確認しておりませんが…。)
以前、酵母で作られたクリスマスカードを見ましたっけ…。
酵母はカラフルで作りがいがありそうです。
主席研究員 松井
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