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組織工学会 報告

2006/09/11

先週の7日、8日と日本組織工学会に出席してきました。

工学会というだけあって、
素材から新しい治療法にアプローチしようという発表が多くありました。

既に新しい素材、従来の素材の組み合わせで
目覚しい成果を上げている先生方もいらっしゃいました。

そのなかで特に目を引いたのが
京都大学心臓血管外科 米田先生の発表です。

閉塞性動脈硬化症、パージャー病という難病があります。
どちらも末梢の血管が閉塞し、潰瘍や壊死を起しやすくなるものです。
ひどい場合には、指、下肢の切断、痛みによる歩行困難が起こります。

米田先生は特に痛みの激しい患者さんに対して
血管新生を誘導する成長因子とハイドロゲルを組み合わせて
治療を行いました。
その結果ほぼ全員の症状が改善されました。
(糖尿病を併発している患者さんだけ、
単独の効果を見ることが出来ませんでした。)

発表では、パージャー病の患者さんが
治療により歩けるようになった様子を動画で示されました。
治療前は自力での歩行は困難で、仕事も出来なかったそうです。

現在、この治療法は一部の人しか受けることが出来ません。
現時点ではこの治療法は特に重症の患者さんを対象にした
「研究」として位置づけられているからです。

再生医療には多額の税金が投資されています。
一日でも早く社会に還元するために
また、希望する方が誰でも治療を受けることが出来るように
メドジェルも活動していきたいと思います。

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パージャー病は20代から40代の喫煙者に多く見られる病気です。
特に男性に多く、間接喫煙で罹患したとの報告もあります。

喫煙のリスクは肺がん以外にもたくさんあります。
こういった病気に対して
タバコ販売会社が研究をサポートしているような話を聞きません…。
すこし不思議です。

研究員 松井




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