ゼラチンと分解酵素
2006/10/13
弊社のハイドロゲルは体内で分解され、
分解と共に薬剤を放出することがウリです。
では、体内ではハイドロゲルに何が起こっているのでしょう?
私たちの体が細胞から出来ているというのは、
皆さんよくご存知だと思います。
しかし、実は細胞だけから出来ているわけではありません。
残りの部分には細胞外マトリックス(ExtraCellular Matrix)と
呼ばれる空間があります。
空間と書きましたが、ECMの中は様々はタンパク質や多糖が複雑なネットワークを作っています。
タンパクや多糖の種類によって骨のような固い構造になったり、腱のようなしなやかな構造になります。
構造ですので、細胞の足場として働きますが
細胞の分化、移動、増殖を誘導したり
周りの細胞の形や機能まで決めることがあります。
さて、ゼラチンの原料であるコラーゲンはECMにある主要なタンパク質です。
正常な代謝の一環として、あるいは血管新生時、傷が治るとき、胎児の組織が分化するときなどに
コラーゲンのネットワークが邪魔になるときがあります。
そこで、細胞はメタロプロテアーゼと呼ばれるECMタンパク質の分解酵素を出します。
ゼラチンはゼラチナーゼ以外にもコラゲナーゼでも分解されますし、
特異性の低い他のメタルプロテアーゼによっても分解されます。
ハイドロゲルは、周りの細胞から分泌されるプロテアーゼによって
徐々に分解されていくのだと考えられています。
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ヒアルロン酸もECMの主要な構成要素です。
あちらは多糖で、驚くほど水分を保持します。
コラーゲンもヒアルロン酸もお肌には良いですよ。
研究員 松井