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写真で見る難水溶性化合物封入ハイドロゲル

2009/07/31

こんにちは。

本日は新たに始まった受託サービスのご案内
第2弾です。


難水溶性化合物を封入といわれても
どんなものかしら~と
思われる方もいらっしゃると思われるので…

分かりやすい例を作ってみました。

ハイドロゲルの外観

左が化合物を加えずにつくったハイドロゲル、
右が難水溶性の色素を加えてつくったハイドロゲルです。


改めて仕組みを紹介しますと、
1.難水溶性の色素を化学修飾したゼラチンでくるみ、ミセルにします。
2."難水溶性の色素をくるんだミセル"を、徐放用のハイドロゲル内に分散、固定します。

ミセルをハイドロゲル内に固定する際に
架橋剤を微量加えていますが、
それ以外の化学的、物理的処理を行っていません。


このハイドロゲルを水、あるいは有機溶媒中に3日間放置しますと
水中では全く変化がありませんが、
有機溶媒中ではハイドロゲル内のミセルが徐々に壊れて
溶媒中に難水溶性の色素が溶け出します。

溶液中での外観


ゲルだけ取り出してみると違いがはっきりします。

ゲルのみ


さて、つぎは生体内での反応をシミレーションするために
水溶液中でハイドロゲルをゆるく分解処理してやります。
すると難水溶性色素がミセルにくるまれた状態で水に溶け出してくるのが分かります。
(下は析出しかけている難水溶性の色素です。)
ゆるく分解

ハイドロゲルを水溶液中で完全に分解してしまうと
難水溶性の色素は完全に析出します。
完全分解

生体内にこのハイドロゲルを埋め込んだ場合も
難水溶性化合物はミセル内にくるまれたままでハイドロゲル内に固定されており、
酵素などによってハイドロゲルが分解されてはじめて
周辺組織に出て行くのだと考えられます。


組織にもミセルの(ゼラチンがくっついた)状態で出て行くので
局所に留まり、ゆるやかに組織に働きかけると考えられます。


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関西ではなかなか梅雨が明けません。

もう書中見舞いはがきも書いたのに
梅雨が明けないことには出しにくいなあと悩んでおります。

暦の上のことなので、たいしたことではないのですが
梅雨明け(=夏)がないまま立秋を迎えるのは
気持ち悪い…ですねえ。


研究員 松井




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