MedGel Scaffoldが新しくなりました!
2009/08/07
こんにちは。
長い梅雨も終わり、彩都にも夏がやってきました。
本日は3次元培養基材MedGel Scaffoldの
バージョンアップ(真ん中)のお知らせです。
新しい製品は旧バージョンのものに比べて
細胞の増殖率が約5倍、
…そして
細胞を播種したまま生体に埋め込めるようになりました!
…そしてなんと
MedGelの徐放機能もついてます!
少し多機能になりすぎてややこしいので、
一つ一つご説明をしていきます。
改良点その1
in vitroで培養基材として使用した場合、
細胞の増殖率が旧製品より約5倍になりました。
細胞の増殖性を上げるために、
スキャフォールドの大きさを検討し、
中まで連なった穴構造(連通孔)を持ちつつ
エアレーションも良いサイズを見つけました。
改良点その2
細胞移植の支持体として最適な固さになりました。
今までは少し固めであったため
生体内で1ヶ月以上残っていました。
このままでは細胞が増えたときに逆に支持体が増殖の障害となります。
そこで生体内で約2~3週間で分解する、適当な固さを見つけました。
改良点その3
薬剤徐放機能も検証済みです。
MedGelは生理活性物質を含ませるだけで
徐放製剤化できるゼラチンハイドロゲルです。
MedGel Scaffoldも同じ素材、技術を使用して
開発していますのでもちろん、薬剤を徐放出来る、というわけです。
実際に細胞を播種してマウス皮下に埋め込んでみると…
上が基材のみ(HE染色:埋め込み後5日)
下が3T3E1を播種して埋め込んだもの(HE染色:埋め込み後5日)
下のほうは基材の中に黒い粒粒(細胞核)がたくさん見えるのがお分かりでしょうか?
予め播種しておいた培養細胞が残っています。
また上の基材のみの場合も周りから細胞が入り込んできていて
細胞の足場になりえる基材であることが分かります。
(MedGel シートの場合は中に細胞が入ることは出来ません。)
さて、非常に多機能になったスキャフォールド。
MedGelに孔構造がついたものともいえるので
名前はMedGel SPになります。
そして、生理活性物質を徐放させたい研究者の方のために
PI5とPI9をそろえました。
・幹細胞を増やして、そのまま細胞移植
(剥がさないので細胞が痛みません。)
・細胞増殖因子(bFGFなど)を含ませて組織の欠損部に置き、
細胞に栄養と足場を提供して再生を誘導
・細胞増殖因子(bFGFなど)を含ませて、
細胞と一緒に生体へ移植し移植効率を上げる
……などなどアイデア次第で使い方は広がります。
お値段、サイズなどはまた次回お知らせしますが
興味を持たれた方は是非左下のお問合せフォームからお問合せ下さい。
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ここ彩都では、通勤途中にうるさいくらいセミの声がします。
少し気になって調べてみたのですが
セミが1週間しか生きられないというのは誤解で
2週間から1ヶ月程度は生きられるようですよ。
セミの死骸を見るたびに切なくなっていましたが、
少しほっとしました。
主任研究員 松井