再生誘導治療研究の第一人者からの大切なメッセージ
2010/02/23
こんにちは。
今週は温かくなるそうですね。
本日は先日某メルマガにて配信した田畑先生からのメッセージを掲載します。
企業側、だけでない、
研究者、だけでない
通訳者ならではの視点で再生医療について書かれています。
研究に携わる方も、そうでない方も、
一般人の方にも面白い内容になっていますよ。
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こんにちは。
今週は温かくなるそうですね。
本日は先日某メルマガにて配信した田畑先生からのメッセージを掲載します。
企業側、だけでない、
研究者、だけでない
通訳者ならではの視点で再生医療について書かれています。
研究に携わる方も、そうでない方も、
一般人の方にも面白い内容になっていますよ。
こんにちは。
本日も文献のご紹介です。
*再生医療に興味があるけれど、どこから入っていいかわからない。
*田畑先生のお話を聞いて、もっと勉強してみたい。
*メドジェル社の技術って、もともとはどんなものか知りたい。
という方には総説を読むことをお勧めします。
田畑教授のコラムを掲載します。
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さて、皆さんは、ドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System, DDS)という言葉にどういうイメージをお持ちでしょうか?drug = 薬物 = 治療、delivery = 送達 = 宅配便という先入観をもち、DDSが薬物治療を目的とした薬物送達のための技術、方法論であると、頭に思い浮かべる方がほとんどではないか、と思います。なぜなら、薬学書籍コーナー以外のところで、DDSの本を目にすることはこれまでにはありませんでした。
「drug」という言葉の意味を英英辞典で調べてみますと、”Substance used for the treatment or prevention of disease (病気の治療、予防に用いられる物質)”とか”Substance taken for the effects it produces (生じる効能、効き目のためにとられる物質)”と記載されています。ここからお分かりの通り、「drug」とは、特に、治療を目指した物質に限定されているわけではありません。つまり、DDSとは、投与(送達)方法や形態を工夫し、drugの体内での動きを精密にコントロールすることによって、作用発現部位に望ましい濃度―時間パターンのもとに選択的に送り込み、結果として最高の生物効果を得ることを目的としたdrugの投与(送達)に関する概念なのです。
田畑教授のコラムです。
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再生医療とはどういうものでしょうか?これは、イモリのしっぽが再生する現象をわたしたちの体で起こし、病気を治すという新しい治療です。すなわち、細胞がもつ体を治す力(自然治癒力)を高めることによって体の悪い部分を再生修復します。この再生医療が実現できるようになれば、これまでの外科手術や組織、臓器の移植治療にならぶ第3の治療法となることは疑いありません。イモリのしっぽの再生には、いろいろな細胞が働いています。しかしながら、例えば、体を治す力のある細胞を取り出して、体に入れるだけでは、必ずしも生体組織の再生修復は望めません。これは、体の中では、細胞はその周りの環境と触れ合いながら生存、働いているからです。体を治す力のある細胞も例外ではありません。細胞がその周りの環境と触れ合い、働くしくみは徐々に明らかになりつつありますが、まだ、完全にはわかっていません。
体は細胞とその周辺環境の2つからできています。植物園芸に例えてみると、細胞は種に当たります。種をまいても、その周辺環境、つまり土、肥料、水、光などの条件が整っていなければ、きれいな花は咲きません。細胞でも同じです。細胞がうまく育ち、体をなおしてけるようなよい周辺環境をつくることが大切です。この環境を体にやさしい材料を用いてつくっていくための研究分野が組織工学です。細胞が育つあるいは正常に働くような環境を作るためにいろいろな方法を使います。1つ目は、細胞が好む材料からスポンジを作り、そのスポンジを用いて細胞の働きを高め、生体組織を治します。2つ目は、細胞が元気になるようなお薬(タンパク質や遺伝子)をうまくお薬を必要としている場所に効かせることです。体にやさしい安全な材料とお薬を組み合わせ、「必要な場所にうまく効かせる」ドラッグ(お薬)・デリバリー(配達)することです。