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細胞に優しい遺伝子導入

2008/10/24

こんにちは。

本日は遺伝子導入試薬SugerFectのご紹介です。

以前ご紹介させていただいたことがありますが、
弊社では細胞へ遺伝子を導入するツールとして
多糖を採用しました。

多糖と言われても…

ぴんと来ない方も多いのではないでしょうか?


多糖と一口に言っても様々な種類があって…

米やジャガイモに含まれるデンプン
生体に多いヒアルロン酸
植物の細胞壁に含まれるセルロース
ゲル化剤としてジャムなどに添加するペクチン

ぱっと挙げただけでもこんなにたくさんあります。

これら多糖の共通項は…生物がつくるものですね。
生体由来なので細胞に優しい素材といえます。


さて、実験室でよく使う培養細胞は
継代を重ねても生き残ってきたしぶとい細胞
(=飼いやすい細胞)がほとんどです。

しかし生体から採取した初代細胞、幹細胞はか弱く
代表的な遺伝子導入試薬では入りにくかったり
高確率で死んでしまう場合があります。

そこで弊社では幹細胞、特に骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)に対して
効率良く遺伝子導入できる素材として多糖の採用を検討しました。
複数の多糖に生体ポリアミンであるスペルミンを用いて
カチオン基を導入し、遺伝子導入試薬を作製、
MSCに対して遺伝子導入を行った結果が下のグラフです。


SugerFectMSC.png


ダントツで良かったのがプルランを採用した遺伝子導入試薬でした。
そこで弊社ではプルランを採用しSugerFect P50として商品化しております。


…実は横軸を見ていただくと分かるのですが
遺伝子導入効率に関しては「他社製品よりちょびっと良い」です。

しかしプルランを採用することで
細胞毒性をかなり押さえることが出来ました。

cellviability.png


豊富に細胞を使える、特に遺伝子導入で困ってない
といった研究者の方には無用の話ですが
Lipofectaminなどメジャーな遺伝子導入試薬では、なかなか遺伝子導入できない
などお困りの場合には是非お試し下さい。

意外と手法、手技、発現させるタンパク質が悪いのではなく
お使いの細胞に遺伝子導入試薬が合わないのかもしれませんよ?

SugerFectのパンフレットはこちらから。

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さて、11月に彩都の新しいインキュベーション施設がオープンします。
噂では新しい企業さんもいくつか入って満室だそうです。

ちょこっと建物を覗いてみましたが
ピンクを基調とした明るい雰囲気でしたよ。

新しいお隣さんが増えるかと思うと楽しみです。

研究員 松井





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