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コラーゲンとゼラチン、PI9とE50 その1

2009/04/06

こんにちは。

MedGelはゼラチンを主原料としています。
よく頂く質問のひとつに
コラーゲンとどういった違いがあるのですか?」
というものがあります。

ゼラチンコラーゲンを変性させたものですが
変性させることで機能が変わるのかどうか
何が違うのか
は材料を研究する方、使う方、
どちらも気になるところです。

さて、コラーゲン分子と言っても
ヒトだけでも20以上の種類があります。

これらのうちの3本が集まって線維状になり
皮膚、骨、腱などを構成します。
場所、種、年齢によって少しずつ構成が変わりますから…

骨から精製したのか、皮から精製したのか
牛から精製したのか、鮭から精製したのか
胎児から精製したのか、成体から精製したのか
またどのような方法で精製したのか
によってコラーゲンの物理化学的性質は変わってきます。


ゼラチンコラーゲンをアルカリ、あるいは酸処理して
可溶化し、精製、乾燥したものです。
コラーゲンと同様、原材料、精製方法によって
ゼラチンの物理化学的性質は変わってきます。


話を簡単にするために
"同じ動物種の同じ組織から精製した場合"
を前提に話を進めていきましょう

コラーゲンゼラチンの共通項には
高い細胞親和性が上げられます。

またコラーゲンはきれいな高次構造を
ゼラチンは部分的にコラーゲンに似た構造
を取ること(ゲル化)ができます。


違いは水への溶解度があります。
コラーゲンと比べてゼラチンは非常に水に溶けやすい性質があります。

コラーゲンは高次構造を保つために
表面積あたりの電荷を持つアミノ酸の数が少なく
疎水性のアミノ酸が露出しているため
水に溶けにくい性質があります。
(骨や皮膚が簡単に水に溶けては困りますからね。)


ゼラチンは精製によって分子量が小さくなり
親水性のアミノ酸が溶液中に露出するため
水に溶けやすい物質に変わります。

特に中間処理によって
電荷を持つアミノ酸が増えている場合も多く
このことも水に溶けやすい一因となります。


さて、MedGelはゼラチンを主原料としていますが
ゼラチンの性質である
・ 親水性が高い
・ 電荷を持つ側鎖が露出している
という特徴がMedGelの徐放機能に大きな役割を果たしています。


親水性が高いことで、水溶性のタンパク質や薬剤を
中に含むことが出来ます。

また電荷を持つ側鎖が露出しているので
静電的相互作用などでタンパク質、核酸、薬剤を
強く保持することが出来ます。

すこし長くなりましたので
コラーゲンに良く似た性質を持つPI9
カチオン基を導入して更に電荷を持たせたE50を比較して
電荷の影響を説明するのは次回に…。


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ちまたの美容製品の中には
コラーゲン配合とあっても
ゼラチンが入っている場合もあるようです。

コラーゲンとゼラチンの境界は少し曖昧で
ゼラチンにしようと思って処理をしたら
ゼラチンと言い切っていいと思います。

が、分解吸収を促進するために
分子量を小さくしていたり
溶解度を高めるために処理をしていたりすると
完全なコラーゲンとは言いにくくゼラチンとも違う??
と考えられます。


私のイメージではコラーゲンが刺身で
ゼラチンがシーチキン
美容用のコラーゲンは
その間のカツオのたたきか、なまり節ですが
どうなのでしょうね。

美容関係は全くの素人なので
誤りなどありましたらお知らせ下さい。

研究員 松井




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