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牛? 豚?

2006/09/29

メドジェルのハイドロゲルはゼラチンを原材料としています。

ゼラチンはコラーゲンをさらに加工して変性させたものです。
最近では魚由来を前面に出したコラーゲンを見かけますが
入手のし易さ、品質管理の容易さから
食品産業や医療産業では
豚や牛の骨、皮膚、腱由来のゼラチンが使われています。

狂牛病の問題が起きてから
食品業界から牛由来のゼラチンは排除されました。
全部が豚由来だそうです。
しかし、医療品の、特に経口投与のハードカプセルは
今でも牛由来のゼラチンがほとんどです。

メドジェルでも一部の製品に牛由来のゼラチンを使っています。
厳密な管理をされており、使用実績もあるということで
安全性に関しては特に問題があるとは考えていません。
しかし、豚由来を求められる場合に備えて
選択できるよう2種類そろえる予定です。

安全性の問題から言えば、
生体からではなく組み換えタンパク質として
人工的にゼラチンが得られれば良いのですが
今のところ難しいのだそうです。

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原材料メーカーもBSE対策はきちんとしています。
私自身、牛由来ゼラチンに対して不安は無いのですが
社会的要望が出てくるとハードカプセルなども
切り替わるのかもしれませんね。

研究員 松井

組織工学の再生医療への応用

2006/09/25

田畑教授のコラムです。

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 再生医療とはどういうものでしょうか?これは、イモリのしっぽが再生する現象をわたしたちの体で起こし、病気を治すという新しい治療です。すなわち、細胞がもつ体を治す力(自然治癒力)を高めることによって体の悪い部分を再生修復します。この再生医療が実現できるようになれば、これまでの外科手術や組織、臓器の移植治療にならぶ第3の治療法となることは疑いありません。イモリのしっぽの再生には、いろいろな細胞が働いています。しかしながら、例えば、体を治す力のある細胞を取り出して、体に入れるだけでは、必ずしも生体組織の再生修復は望めません。これは、体の中では、細胞はその周りの環境と触れ合いながら生存、働いているからです。体を治す力のある細胞も例外ではありません。細胞がその周りの環境と触れ合い、働くしくみは徐々に明らかになりつつありますが、まだ、完全にはわかっていません。
体は細胞とその周辺環境の2つからできています。植物園芸に例えてみると、細胞は種に当たります。種をまいても、その周辺環境、つまり土、肥料、水、光などの条件が整っていなければ、きれいな花は咲きません。細胞でも同じです。細胞がうまく育ち、体をなおしてけるようなよい周辺環境をつくることが大切です。この環境を体にやさしい材料を用いてつくっていくための研究分野が組織工学です。細胞が育つあるいは正常に働くような環境を作るためにいろいろな方法を使います。1つ目は、細胞が好む材料からスポンジを作り、そのスポンジを用いて細胞の働きを高め、生体組織を治します。2つ目は、細胞が元気になるようなお薬(タンパク質や遺伝子)をうまくお薬を必要としている場所に効かせることです。体にやさしい安全な材料とお薬を組み合わせ、「必要な場所にうまく効かせる」ドラッグ(お薬)・デリバリー(配達)することです。

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Bio Japan 2006

2006/09/14

昨日から大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて
バイオジャパン2006が開催されています。
国内外のバイオ関連企業が集まり
発表・展示・ビジネスマッチングを行います。

弊社も千里ライフサイエンス振興財団さんのブースにて
ポスターを発表させていただいております。

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「ゆめ物語」で終わらせないために(第2回)

2006/09/12

田畑教授のコラム『「ゆめ物語」で終わらせないために』の第2回です。

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細胞治療に比べて、生体組織工学の研究は大きく遅れていると感じています。その第一の理由は研究者の数です。再生現象の解明のために、医学、生物学からの多くの研究者が再生医療分野に参入してきました。これに対して、もともと生体材料学の研究者は少ないうえに研究内容がより生物医学、臨床医学の色彩が濃いとなれば、人材、施設の観点からもその数が減るのは当然かもしれません。材料工学のプロを作るのは工学部です。しかし、大学入試でも生物を選択せず、大学でも生物の授業のない人たちに、どうすれば医療との接点について考えてもらうことができるのでしょうか?医工、産学連携が進み、研究施設、研究協力体制などの枠組みは以前に比べて整備されてきました。しかし、最も重要な人材の育成について、課題がほとんど解決されていないように思います。

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組織工学会 報告

2006/09/11

先週の7日、8日と日本組織工学会に出席してきました。

工学会というだけあって、
素材から新しい治療法にアプローチしようという発表が多くありました。

既に新しい素材、従来の素材の組み合わせで
目覚しい成果を上げている先生方もいらっしゃいました。

そのなかで特に目を引いたのが
京都大学心臓血管外科 米田先生の発表です。

閉塞性動脈硬化症、パージャー病という難病があります。
どちらも末梢の血管が閉塞し、潰瘍や壊死を起しやすくなるものです。
ひどい場合には、指、下肢の切断、痛みによる歩行困難が起こります。

米田先生は特に痛みの激しい患者さんに対して
血管新生を誘導する成長因子とハイドロゲルを組み合わせて
治療を行いました。
その結果ほぼ全員の症状が改善されました。
(糖尿病を併発している患者さんだけ、
単独の効果を見ることが出来ませんでした。)

発表では、パージャー病の患者さんが
治療により歩けるようになった様子を動画で示されました。
治療前は自力での歩行は困難で、仕事も出来なかったそうです。

現在、この治療法は一部の人しか受けることが出来ません。
現時点ではこの治療法は特に重症の患者さんを対象にした
「研究」として位置づけられているからです。

再生医療には多額の税金が投資されています。
一日でも早く社会に還元するために
また、希望する方が誰でも治療を受けることが出来るように
メドジェルも活動していきたいと思います。

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パージャー病は20代から40代の喫煙者に多く見られる病気です。
特に男性に多く、間接喫煙で罹患したとの報告もあります。

喫煙のリスクは肺がん以外にもたくさんあります。
こういった病気に対して
タバコ販売会社が研究をサポートしているような話を聞きません…。
すこし不思議です。

研究員 松井

「ゆめ物語」で終わらせないために(第1回)

2006/09/04

これから不定期的にではありますが、京都大学再生医科学研究所 生体組織工学研究部門 生体材料学分野 田畑泰彦教授のコラムを掲載させていただきます。

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完全には体になじまない生体材料を利用した再建外科と臓器移植との2大先端外科治療はもちろん患者の救命に大きく貢献していますが、一方では、その治療方法としての限界も見えてきています。このような状況で生まれてきたのが「再生医療」です。その基本発想は生体の本来もっている自然治癒力を最大限に活用、生体組織の再生誘導能力により病気を治療することです。

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