最新情報はRSSフィールドで

MedGelのパンフレットと取扱説明書

2007/11/22

こんにちは。

万博公園も色づく紅葉の季節です。

本日は10月から代理店さんを通して販売を開始している
MedGelのパンフレット、取扱説明書の最新版をご紹介です。

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MedGel アプリケーション ~EGFで角膜上皮の再生~

2007/06/25

こんにちは。

国際バイオEXPOではたくさんのご来場有難うございました。
”アンケートに答えて田畑先生の著書を当てよう!”キャンペーンは30日までです。
PCからはhttp://www.medgel.jp/k/からどうぞ。
サンプルの請求もできますよ。

さて、本日は角膜上皮再生の例です。

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抗体の徐放も??

2007/05/22

こんにちは。

今までにMedGelを使うと
色々な薬剤を徐放化できるとお伝えしてきました。

…でも大事なタンパク質を忘れていました。

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頒布開始のお知らせ -MedGel-

2007/03/29

こんにちは。

MedGELの商品第一弾としてMedGelの頒布を開始します。

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大きなものから小さなものまで…

2007/01/16

遅まきながら、あけましておめでとうございます。
今年度もコツコツ更新をしていきます。
よろしくお願いします。

本日はサイズの話です。

弊社のゲルは、
bFGFを中心に様々な成長因子を徐放できる事が分かっています。
改めて等電点とサイズをまとめて見ますと…

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牛? 豚?

2006/09/29

メドジェルのハイドロゲルはゼラチンを原材料としています。

ゼラチンはコラーゲンをさらに加工して変性させたものです。
最近では魚由来を前面に出したコラーゲンを見かけますが
入手のし易さ、品質管理の容易さから
食品産業や医療産業では
豚や牛の骨、皮膚、腱由来のゼラチンが使われています。

狂牛病の問題が起きてから
食品業界から牛由来のゼラチンは排除されました。
全部が豚由来だそうです。
しかし、医療品の、特に経口投与のハードカプセルは
今でも牛由来のゼラチンがほとんどです。

メドジェルでも一部の製品に牛由来のゼラチンを使っています。
厳密な管理をされており、使用実績もあるということで
安全性に関しては特に問題があるとは考えていません。
しかし、豚由来を求められる場合に備えて
選択できるよう2種類そろえる予定です。

安全性の問題から言えば、
生体からではなく組み換えタンパク質として
人工的にゼラチンが得られれば良いのですが
今のところ難しいのだそうです。

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原材料メーカーもBSE対策はきちんとしています。
私自身、牛由来ゼラチンに対して不安は無いのですが
社会的要望が出てくるとハードカプセルなども
切り替わるのかもしれませんね。

研究員 松井

薬剤との親和性

2006/08/07

前回までで、薬剤とハイドロゲルに相性があると書いてきました。
そのために、最適なハイドロゲルを選んでいただくステップがあります。

本来なら、お手持ちの薬剤をハイドロゲルに含浸させて
ゲルに保持される薬剤の量(=放出される量)を測定します。
保持量が多いものが最適ゲルです。

今回は簡単な実験で相性を視覚化してみました。
用いたのはBPBと呼ばれる低分子色素とPI5、PI9のハイドロゲルです。
まず、ハイドロゲルに純水を加え十分膨潤させます。
pre.gif

ここに低分子色素を加えてみましょう。
add0.gif

室温で5分置いておくと
PI9が青く染まり、溶液中の青が少なくなっています。
PI5はあまり変わりません。
add5.gif

1時間置いてみましょう。
PI9は積極的に色素を吸着しているのが分かります。
PI5はほとんど変化がありません。
add1h.gif

ゲルだけ出してみると
吸着の度合いが全く違うのがよく分かりますね。
一晩おくと溶液が透明になるまで吸着します。
add1h2.gif


ハイドロゲルの特徴は
物理的・化学的処理をしないで薬剤を保持するところにあります。
ハイドロゲルの分解と共に、担体を失った薬剤が放出されるのです。
ですから、最初によりよく薬剤を保持するハイドロゲルが最適ゲルということになります。

今回の実験では、BPBという色素を徐放するのであれば
BPBを積極的に吸着したPI9が最適ということになります。

”相性”の意味が分かっていただけたでしょうか?


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明日は弁天宗夏祭り奉納花火大会が行われます。
ここ彩都バイオインキュベーターの屋上からも見えるそうです。

インキュベーター内の他のベンチャーさんと花火鑑賞の予定です。
夏ですね。

研究員 松井

徐放実績のあるタンパク質

2006/07/10

弊社の技術は、京都大学再生医科学研究所の田畑先生の成果です。

そこで、田畑先生のところで研究されたことのあるタンパク質をご紹介したいと思います。
ここに上げたのはたくさんの研究成果の一部です。
参考文献に関しては順次こちらのブログでも紹介していく予定ですが
もしもっと知りたい!!という方は
こちらで(京都大学再生医科学研究所生体材料学分野)原著論文をチェックしてくださいね。

もっと簡単に技術を知りたい!という方には日本語の総説をご紹介する予定です。
もう少しお待ちください。                  

                                     研究員 松井

ハイドロゲルの種類
等電点
(IP)
徐放実績のあるタンパク質
(参考文献)
PI5

5.1

bFGF, TGF-beta1, HGF, PDGF-BB, NGF
PI9
8.8
BMP-2, HB-EGF, KGF, FGF-10
SU
4.7
NK4, GDNF
E50
11.2
EGF, G-CSF, CTNF, EPO
SM50
10.8
Activin A
SE
5.0
Interferon gamma
BU
-

 

[bFGF]

Yasuhiko Tabata and Yoshito Ikada
Vascularization effect of basic fibroblast growth factor released from gelatin hydrogels with different biodegradabilities.
Biomaterials, 20, 2169-2175 (1999)
etc....

[TGF-beta1]

Liu Hong, Yasuhiko Tabata, Susumu Miyamoto, Masaya Yamamoto, Keisuke Yamada, Nobuo Hashimoto, and Yoshito Ikada
Bone regeneration at rabbit skull defects treated with transforming growth factor-β1 incorporated into hydrogels with different levels of biodegradability.
J. Neurosurgery, 92, 315-325 (2000)
etc...

[HGF]

Makoto Ozeki and Yasuhiko Tabata
In vivo promoted growth of mice hair follicles by the controlled release of growth factors.
Biomaterials, 24, 2387-2394 (2003)

[PDGF-BB]

Akishige Hokugo, Makoto Ozeki, Osamu Kawakami, Keisuke Sugimoto, Kozo Mushimoto,
Shosuke Morita, and Yasuhiko Tabata
Augmented bone regeneration activity of platelet-rich plasma by biodegradable gelatin hydrogel.
Tissue Engineering, 11(7/8), 1224-1233 (2005)

[BMP-2]

Masaya Yamamoto, Yoshitake Takahashi, and Yasuhiko Tabata
Controlled release by biodegradable hydrogels enhances the ectopic bone formation of bone morphogenetic protein. Biomaterials, 24, 4375-4383 (2003)
etc...

[CTNF]

Takashi Nishida, Satoshi Kubota, Shunji Kojima, Takuo Kuboki, Kyouji Nakao, Toshihiro Kushibiki, Yasuhiko Tabata, and Masahara Takigawa
Regeneration of defects in articular cartilage in rat knee joints by CCN2 (Connective tissue growth factor)
J. Bone Miner. Res., 19(8), 1308-1319 (2004)

DDS素材としてのゼラチン (2)

2006/07/07

今回はゼラチンの利点を挙げたいと思います。

既存のDDS素材では
熱・有機溶媒・超音波処理によって
薬剤と担体(DDS素材)を結び付けていました。

しかし、
この方法では薬剤に対するダメージが大きくなります。
特にタンパク質の薬剤は熱に弱いので、この方法には不向きです。

そこで、薬剤を包み込む方式のDDS素材が開発されました。
花火みたいに火薬(薬剤)を紙(DDS素材)で包み込むのです。
この方法ですと、薬剤活性は損なわれません。

しかし、
この方法は薬剤の放出速度のコントロールが難しく
一度DDS素材が分解されると、一気に薬剤が出てしまいます。

そこでゼラチンです。

ゼラチンで作ったハイドロゲルは、
薬剤を分子間相互作用のみで引き付けます。
ハイドロゲルと薬剤を混ぜておくだけでよいのです。
磁石のプラスとマイナスがくっつくようなイメージですかね。

混ぜておくだけですから、薬剤の活性を損なうことはありません。
また、ハイドロゲルが分解されると同時に薬剤の放出が起こります。
体内ではハイドロゲルは徐々に分解されていくので
持続的な徐放が実現できるのです。

さて、ゼラチンの欠点ですが…
分子間相互作用ですから、薬剤(タンパク質)との相性があります。
また、これはDDS素材全般にいえるのですが
ハイドロゲルの分解速度に個体差があります。

弊社では、性質の異なるハイドロゲルをいくつかご用意しました。
…揃えていますが、
主要2製品でほとんどの薬剤(タンパク質)がカバーできるようです。

分解速度に関してですが
ゼラチンは比較的コントロールしやすい部類に入るようです。
よく使われるのは2週間分解のハイドロゲルですね。

もし、お手持ちの商品と相性を試したいという場合には
サンプルをお出し出来ます。
info@medgel.jpまでお問い合わせください。

               研究員 松井

DDS素材としてのゼラチン (1)

2006/06/26

薬剤を、狙った場所で狙った濃度で働かせる技術はDDS(drug delivery system)と呼ばれます。


DDSという概念が出来てから、たくさんの素材が開発・採用されてきました。
生体内で分解されるものでは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸などの合成素材
あるいはコラーゲン、アルギン酸などの生体分子があります。

ゼラチンはコラーゲンをさらに精製したものです。
もともと生体内で作られるものですから、
生体適合性がありますし生体内で分解されます。
これらの性質から医薬品によく使われており、安全性も確立しています。


最近はコラーゲン入りの化粧品、飲み物も増えていますが
あれをさらに精製するとゼラチンになるんですよ。
また、魚のアラ、牛すじ、手羽先などを煮込んだときに
固まるのもゼラチン(コラーゲン分子)の働きです。

弊社で使っているゼラチンは
医療用に作られた品質の高いものです。
もちろん、食べることも出来ます。


次回はゼラチンが他の素材より優れている点を書く予定です。

                           
                          研究員 松井